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マメナジープロジェクトの次世代エネルギー宣言
温暖化の中期目標を読む(2)
結果よりプロセスが大事なら、
世界環境税はいかが?
(月刊ソトコト2009年9月号)
結果も大事だけど、プロセスこそ大切。ある程度人生を重ねてくると、 そんな考え方になったりします。スポーツで言えば、流した汗や、 仲間との連帯感。それこそが目標を追いかける意味なんじゃないかって。
温暖化防止も、"どれだけ減らすか"という結果論だけではなく、 "どれだけ頑張っているか"で評価すべき、というのが、 日本の2020年目標を決める委員会での論調でした。 この連載の先月号でご紹介した通り、1990年比なのか2005年比なのかで 随分見え方も変わってくるし、EUは東側の統合という偶然によって、 随分結果としての削減率の見え方が大きいので、"みんな一律20%"はおかしい という議論です。
頑張り度を示す指標として出されたのが、「限界削減コスト」。 「限界」というのは、ぎりぎりと言う意味ですが、この場合は、 課せられた排出削減の最後の1トンを削減するのにどれだけのコストがかかるか、 と言う意味です。モデルを使った分析によると、EUが掲げる90年比16%減 (CDM等4%を足して20%減)をEUが達成するには、1トンあたり約50ドルかかる 対策までとる必要があるのですが、日本が約50ドルかかる対策までを実施した 場合、90年比+4%、2005年比-4%となるというのです。
モデル分析が正しいという確証はないので、この分析をもとに日本の削減率を 提案するというのは、個人的にとても無理があると思います。ただし、 各国が同じくらい頑張る、つまり「限界削減コスト」が同じ水準になるよう 排出削減をする、というのは大変いい考え方です。なぜなら、 そうすることで、世界全体として最も"お安く"同じ排出削減が達成できるから です。
限界削減コストを同じ水準とする政策としては、排出量取引と環境税が あります。日本はいずれの政策も本格導入にいたっていません。 限界削減コストが同じ水準になるよう排出削減をするべきというのが 主張なのだったら、まずは国内にいずれかの政策を導入し、 世界全体で排出量取引または環境税を導入することを提案することが 筋なんじゃないのかな、と議論を聞いていて強く思いました。
特定非営利活動法人世界マメナジー基金 理事長
株式会社Governance Design Laboratory 取締役副社長/主任研究員
高瀬 香絵
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